2013年02月27日
沖縄近代法の形成と展開
田里 修・森 謙二編
明治12年の琉球処分によって強制的に日本の体制に組みこまれた沖縄は、時の明治政府によって併合による様々な矛盾と軋轢をうまく押さえ込む為に、一方において旧慣温存という形で古い秩序を維持しつつ近代的な法制度を構築していくこととなった。
本書は沖縄の近代史研究の最も重要なこのテーマ=沖縄近代法の形成について様々な角度からアプローチしその実態がいかなるものであったのか、あるいはその変化がどの様なものであったのかを探った学術論文集である。
従来、この研究課題はあまり顧みられることもなく、類書もほとんどないのが実状であり、本書の発刊は沖縄近代史研究に新しい光をあてるのみならず、沖縄と本土との関係をとらえなおす契機ともなるであろう。(2012年度文科省助成出版)
〈目次(抄)〉
Ⅰ 問題の枠組み
問題の設定―沖縄近代法と旧慣温存政策・・・森 謙二・田里 修
琉球処分論・・・波平恒男(琉球大学教授)
Ⅱ 沖縄近代法と旧慣
戦前期沖縄県の令達集・令規集について・・・青嶋 敏(愛知教育大学教授)
近代沖縄における内法の成文化と内法の変遷・・・平良勝保(沖縄文化協会会員)
Ⅲ 沖縄近代法の形成期における土地制度・地方制度
地割についての諸問題・・・田里 修(沖縄大学教授)
沖縄県土地整理事業の推進体制・・・牧田 勳(摂南大学教授)
「沖縄近代法」期における地方制度の位置・・・矢野達雄(広島修道大学教授)
Ⅳ 旧慣温存と〈家〉制度
沖縄における家と身分制・・・森 謙二(茨城大学教授)
近代沖縄における戸籍法の施行・・・金城 善(地域史協議会会員)
国家法体制の受容と地域独自性の相克・・・奥山恭子(横浜国立大学教授)
親族構成をめぐる若干の考察・・・林 研三(札幌大学教授)
A5、上製、凾入、496頁
定価(本体15,000円+税)
Posted by 沖縄本といえば榕樹書林 at 15:56│Comments(0)
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