本日発売!! がじゅまるブックス14 八重山民話の世界観

沖縄本といえば榕樹書林

2019年08月19日 16:13


 
 石垣 繁著
 八重山の地にドッカリと腰を据えて地域の民話や民俗の掘り起こしに生涯をかけてきた著者による民話の世界は、その語りの中にある島の人々の生活のみならず、その精神世界の内側をも提示する。
 著者はまた、波照間島の人々が苦しい生活からの脱出を「パイパティロー」に求めたのは、単なる幻想ではなく、現にあった歴史的事件を基底に人々の世界観が投影されたものだということを実証的に説き明かす。
 八重山では民話は単に過去の物語ではなく、今に生きる人々の想いのひとつの表現なのだ、ということを本書は示してくれるだろう。

〈目次〉

第一章 「パイパティロー」説話の世界観
   はじめに
   一、八重山諸島の説話の特質
   二、「パイパティロー」説話
   三、「パイパティロー」説話の世界観
   むすびに

第二章 与那国島比川村の「天人女房譚」―銘苅口説を中心に
   はじめに
   一、「口説」について
   二、比川村における「天人女房譚」
   三、「銘苅口説」
   四、天女の系譜
   むすびに

第三章 宮古の英雄・金志川金盛は、八重山に生きる
   はじめに
   一、金志川金盛とその時代に生きた宮古の英雄
   二、民話に見る金志川(キンスカー)豊見親
   むすびに

第四章 説話にみる「白保村の創設と再建」
   はじめに
   一、白保村の創世神話
   二、説話にみる白保村の創設
   三、説話にみる白保村の再建
   まとめ
   あとがき

   A5判、並製、116頁
   定価(本体1,000円+税)

*著者紹介*
石垣 繁(いしがき しげる)
1937年、石垣市白保に生る。
県立八重山高校、日本大学通信教育部文理学部文学専攻(国文)。
八重山地区の小・中・高校で教職に就き、定年退職。
1969年9月、八重山郷土文化研究会を設立。
2007年、石垣市市政功労者(文化部門)表彰。
現在、八重山文化研究会顧問。
著書『八重山諸島の稲作儀礼と民俗』(南山舎、2017年)他、論文多数。

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