てぃーだブログ › 沖縄本・新書・古書・古本|榕樹書林のブログ(宜野湾市) › がじゅまるブックス › がじゅまるブックス4 沖縄の米軍基地と軍用地料

2012年10月12日

がじゅまるブックス4 沖縄の米軍基地と軍用地料

がじゅまるブックス4 沖縄の米軍基地と軍用地料

 来間泰男著 
 今日の沖縄の、最大の社会的経済的病根は、基地を維持し、米軍基地容認派を生成する為に、軍用地料を肥大化させてきたことに大きく起因する。ここから派生した社会的不平等の拡大は、今や沖縄特有の社会問題として様々な現象を生み出しているが、これまでこの問題は居酒屋談義で終わっていた。
 著者は戦後日本における米軍基地建設から、米軍直接支配下の沖縄での基地建設、そして復帰後の日本政府による「思いやり予算」による米軍基地の維持政策とたどりながら、軍用地料の肥大化の変遷を見据え、それが社会にどの様な影響を与えてきたのかを、経済学的分析をもとに明らかにしていく。
 沖縄社会の内部から沖縄を変えていこうとする大きな挑戦の本である。

〈目次(抄)〉

第一章 「軍用地買います」

第二章 アメリカ軍基地の成立
  一、日本本土におけるアメリカ軍基地建設のはじまり
  二、沖縄におけるアメリカ軍基地建設―第一次土地接収
  三、読谷村と北谷村の場合
  四、宜野湾村の事例

第三章 講和条約・安保条約とアメリカ軍基地
  一、対日講和条約
  二、日米安保条約
  三、国内のどこに基地を設けるか
  四、その後の基地の新設・拡張
  五、講和直後の基地配置とその反対闘争
  六、内灘の闘い
  七、講和発効と沖縄の基地問題
  八、軍用地の「法的」確保と地料の支払い開始

第四章 「島ぐるみの土地闘争」
  一、銃剣とブルドーザーによる強制接収―第二次土地接収
  二、那覇市内の旧小禄村具志の場合
  三、宜野湾市伊佐浜の場合
  四、「土地を守る四原則」
  五、軍用地問題の発生する要因
  六、「プライス勧告」
  七、「島ぐるみの土地闘争」

第五章 「島ぐるみの土地闘争」の結末
  一、土地問題についての現地折衝
  二、プライス勧告の「正論」
  三、軍用地料の引き上げ
  四、地代の算式
  五、引き上げられた軍用地料の性格
  六、基地面積の大幅拡大と「海兵隊基地化」―第三次土地接収
  七、崩れた「四原則貫徹」
  八、軍用地の面積

第六章 朝鮮戦争にともなう米軍再編
  一、朝鮮戦争
  二、朝鮮戦争と海兵隊
  三、朝鮮戦争後の東アジアにおけるアメリカ軍の配置
  四、本土での基地反対運動
  五、本土から沖縄に移った海兵隊
  六、第三海兵師団の沖縄移駐

第七章 日本復帰と基地・軍用地料
  一、1972年の日本復帰
  二、契約拒否地主と「強制使用」
  三、日本復帰時の土地連
  四、最終の判断
  五、軍用地料の大幅引き上げ
  六、軍用地主の一代記
  七、土地連に対する私の批判
  八、「高い」軍用地料の諸問題

第八章 軍用地と軍用地料の現在
  一、軍用地料の水準
  二、軍用地の売買
  三、アメリカ軍基地の軍用地料等の長期統計(復帰後)
 
第九章 軍用地の再契約問題
  一、今後20年間の提供―地主会が地代倍増要求
  二、軍用地料の水準
  三、借地料は「安い」か―政府、契約確保へ8倍増
  四、基地の変化と地料の引き上げ―増え続ける「不労所得」
  五、「危険負担」で値上げ要求―「自らの利益」のみ追求
  六、「地主階級」―新たな20年契約「不正義」
  七、後日談

第十章 「字有地」の軍用地料
  一、字有地の軍用地料問題の深刻さ
  二、杣山の時代
  三、「官地民木」か「民地民木」か
  四、杣山処分=払下げ
  五、軍用地料の字への配分
  六、字の軍用地料の使途
  七、女性差別と入会権訴訟

おわりに
  一、福島と沖縄は「同じ構造」論を考える
  二、「基地と経済」総論と課題

私の「基地と経済」論稿目録

   A5、112頁、並製
   定価(本体900円+税)


同じカテゴリー(がじゅまるブックス)の記事

Posted by 沖縄本といえば榕樹書林 at 15:26│Comments(0)がじゅまるブックス
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。